オンリーワンのX線テクノロジーで未来を描く

Glossary

X線用語集

C

CT(Computed Tomorgraphy)

放射線などを利用して物体を走査しコンピュータを用いて処理することで、物体の内部画像を構成する技術、あるいはそれを行うための機器。(Wikipedia参照)
主にX線透過像を利用したものを指すことが多く、産業用途では、医療用とは異なり、対象物を回して撮影し、断層(スライスデータ)の塊として演算されたものを排出します。

X

X線

紫外線と比べて波長が短い電磁波で、エネルギーが大きく、物質を透過することができるため、レントゲンなどの透過観察に使われる。また、X線の種類により、元素分析や結晶構造解析などにも使われます。
X線は、テレビやラジオの電波、太陽や電灯の光と同じ電磁波です。この電磁波は、電離放射線の一種であり、きちんと防護対策を取った環境での使用が求められますが、放射性物質などと異なり、照射が止まった時点で放射線は瞬時に止まり、残留放射線は無いことが特徴です。

X線管

電子線を高電圧で加速し、陽極に衝突させてX線を発生する真空管です。
X線管は、陰極(Cathode)と陽極(Anode)をもつ真空管です。陰極には収束カ(Focusing Cup)と呼ばれる窪みの中にコイル状フィラメントがあり、陽極は銅塊の表面にターゲット(Target)を貼り付けた構造です。フィラメントが数百度以上に加熱されると、表面から熱電子が湧き出し、陽極の正電位により加速されてターゲットに衝突します。このときの電子が湧き出し、陽極の正電位により加速されてターゲットに衝突します。電子は運動エネルギーを失い、そのうちの1%以下がX線として放出され、残りの99%以上は熱となります。通常のX線管ではターゲットに高融点のタングステンを使い、ターゲット支持体には熱伝導率の高い銅を使って放射効率をよくします。X線管には、開放管型X線発生装置と密閉管型X線発生装置があります。

X線焦点

反射型X線発生器の場合、実焦点(Real Focus)は、電子がターゲットに衝突してX線を発生した場所をいいます。その他に実効焦点(Effective Focus)があります。それは、カメラ側から見たときの実焦点の形状です。大きさや形状は見る方向により、変化します。 透過型X線発生器の場合は、実焦点と実行焦点は、同じになります。

ア行

アーチファクト

被写体にないもの(artifacts、実際の物体ではない二次的に発生した画像)がCT画像上に現れるものを意味し、原因によりいくつかの呼び名があります。
リングアーチファクト: X線検出器の補正が不十分なときに発生するリング状のノイズ。
メタルアーチファクト: X線吸収係数が高い物質と低い物質が混在した際に、ビームハードニング(通常X線源には、様々なエネルギーが含まれているため、硬いものを透過する際にエネルギーがシフトすること)により発生するノイズ。

イメージングインテンシファイア(I.I.)

X線イメージインテンシファイア/Image Intensifier(I.I.)は、一次蛍光面に受けたX線を電子に変換し、真空中で加速させて2次蛍光面にて可視光に変換するため、微弱なX線を効率良く可視化することが可能です。

イメージングプレート(IP)

Xイメージングプレート(IP)は、昔ながらのレントゲン写真の撮影手法を周到しています。
カセッテに装填するのがフィルムかIPかというのが主な違いで、デジタル画像化(現像)は1回撮影するごとにカセッテを取り外してドライイメージャーと呼ばれる機械(スキャナ)に挿入して行います。イメージングインテンシファイアやフラットパネル検出器のようにライブで画像は取得できないが、諧調が非常に高いことが特徴です。

カ行

外部漏洩X線量

外部漏洩X線量とは、X線照射時にX線シールドボックス外に漏れるX線量です。労働基準監督署の定める法令では、1.3mSV/3ヶ月(2.5μSV/1h)が放射線管理区域とならない許容値です。

開放型X線発生器

開放型は管外に真空ポンプなどを設置し常時、高真空を保っています。ターゲットとフィラメントを交換することができ、ユーザーメンテナンスにより消耗品を交換することができます。焦点サイズは、管電圧、管電流に依存しますが、密閉管型X線発生装置に比べ焦点サイズを小さくすることができます。

管電圧

X線管にかける電圧のことをいう。一般的に電圧が上がることにより、X線のエネルギーが高くなり透過力が高くなります。

管電流

X線管にかける電流値のことをいう。X線を発生するターゲットに当たる電流値が増えることでX線量が増え明るくなります。

幾何学倍率

高エネルギーのX線を曲げることのできるレンズがないため、透視画像の場合、X線焦点-カメラ/X線焦点-対象物の比率が拡大率となり、幾何学倍率と呼び他の倍率と区別して呼んでいます。

サ行

線量

線量とは、放射線防護のために被曝量をすべての放射線に共通の単位で表したものです。
被ばく量として電離放射線障害防止規則に規定されている線量は、実効線量で単位はシーベルト(Sv)を使います。

ハ行

フラットパネルディテクタ(FPD)

イメージインテンシファイア(I.I.)と異なる原理でX線を映像に変化する検出器です。 フラットパネルディテクタは、、大きくわけて、X線を直接電気信号に変換する直接変換方式と、いったん光信号に変換した後に電気信号に変換する間接変換方式(シンチレータ方式)があります。特徴としては、I.I.と同様にライブで画像を取得することが可能、ダイナミックレンジが広く、画素間の干渉が少ない、画像の歪みがないといったものがあります。

ボリュームレンダリング

ボリュームレンダリングとは、ボリュームデータ(XYZ座標に数値を持つもの)に人工的に影を投影することによって立体的に描画すること。一般的には、このデータの塊を数値別に表示したり、データ上でカットすることによりCTのデータから内部形状を表現することまで含まれることが多い。各座標の点をボクセルという。

【特徴】

    1. スライス画像でわかりにくい立体的な構造の観察
    2. 対象部位の大きさの把握
    3. 他の対象物との位置関係の立体的な把握が可能

マ行

マイクロフォーカスX線源

焦点寸法が非常に小さいX線源をマイクロフォーカスX線源と呼び、そのX線源を使用した装置をマイクロフォーカスX線装置と呼びます。厳密な定義はないようですが、一般的に焦点寸法が0.1mmを大きく下回るものを呼び、それ以上の焦点寸法のX線源をミニフォーカスX線源と呼びます。最近では、焦点寸法が1umを下回るものも市販されナノフォーカス(ナノレゾリューション)X線源と呼ばれています。

密閉管型X線発生器(密閉管)

密閉管型X線発生器(密閉管)は、X線発生部がガラス管などの密封容器で常時真空に保たれています。そのため、管外に真空ポンプを用意する必要がなく、発生器が小型です。フィラメントは、基本的に長寿命で、メンテナンスが必要ありません。